【エースコンバット8】プロローグのストーリー解説!なぜ主人公はレックスと呼ばれ、ジョーカー隊の1番機となったのか?

本記事はストーリー(プロローグ〜序盤)のネタバレ・重要情報を含みます。未プレイ・未読の方はご注意ください。

 

作戦日時 / 発生海域
2029年10月31日 14:26〜 / アデア海峡(洋上・空母エンデュランス周辺)
所属勢力
中央ユージア連合(FCU) / ソトア軍
主要登場人物
主人公(後のレックス / ジョーカーワン)、ジャン・コープ中佐、ジェシカ・パイク副長、DD、デイビッド・ジェンキンズ、アデリナ・サントス、ウィリアム・コスター大尉
重要キーワード
シーヴの翼、コールサイン「レックス」、ジョーカーワン、エア・エクシオン365便、約束の地

アデア海峡の漂流と絶望の呟き(2029年10月31日 14:26)

物語の始まりを告げるタイムスタンプは「アデア海峡 2029年10月31日 14:26」。画面に陸地は一切見えず、視界を埋め尽くすのは見渡す限りの荒れた冷たい海です。

海上には一艘の小さな救命ボートが漂い、そこに身を寄せる元空軍整備士官デイビッド・ジェンキンズと、同じく漂流していた名もなきパイロット(主人公)の二人の姿が映し出されます。そのすぐ側の水面には、一度は二人を救助したもののあえなく墜落してしまった救助ヘリコプターの残骸が波間に揺れていました。

 

戦争が始まってからの3か月間、ソトア軍の攻勢に追われて東部基地から西へ西へと過酷な撤退劇を繰り返してきたジェンキンズは、その間に5回脱出ヘリに乗り、4回の不時着を経験。そして5度目にして乗っていた機体も失われ、このアデア海峡へ投げ出されたのでした。水平線の彼方に見えない陸地を想い、ジェンキンズは呟きます。

「見ろよ、これ以上の眺めはない、すべてが終わっていく、今燃えているのが中央ユージア連合であるFCUに残された最後の土地だ」

人々が待ち望んでいた伝説のエース「シーヴの翼」の姿はなく、眼前にはただ冷たい海が広がるのみ。やがて現れた新たな救助の気配に対し、ジェンキンズは信じるべきか迷いながらも、生き残るために救助を受け入れる決断を下します。この10月31日という運命の1日に、主人公の物語が大きく動き出します。

 

 

空母エンデュランスへの収容と船医サントスの反対

救助された二人が運び込まれた先は、アデア海峡で作戦を維持している唯一の母艦「空母エンデュランス」でした。物資も人員も枯渇寸前の艦内において、甲板で出迎えたのは昼行燈の艦長に代わって実質的に全指揮を執る副長、ジェシカ・パイクです。

パイクは、周辺には航空機を発着させられる基地がすでに1つも残っておらず、陸・海・空・海兵隊、警察、消防、民間機に至るまで、FCUの全航空機にとってこのエンデュランスしか降り立つ場所がないという過酷な現実を伝えます。ジェンキンズはその腕を見込まれ、空母整備班長として格納庫の整備を任されることになります。

 

一方、直前まで意識を失っていた主人公に対し、気の強い船医アデリナ・サントスが猛抗議を行います。

精密検査で脳波や身体に異常がないと確認されるまでは絶対に操縦させてはならないと詰め寄るサントスに対し、パイロット不足が極限に達しているパイクは、後部座席でレーダーや電子機器を扱うナビゲーターとしてなら気を失っても操縦に支障はないと判断し、休む間もなく現場復帰を強行します。

 

情報統制の元締めDDと「シーヴの翼」

そこへ現れたのが、スーツにネクタイを着たDDと呼ばれる男です。DDは主人公に対し、運良く最後の避難民収容に間に合ったと告げ、空に飛び交う通信を再編成して国民に向けた希望の光を作り出すのが自分の仕事であり、広告業のようなものだと軽薄に語りかけます。

DD:「合流を求めてこの空母へ近づいてくる未確認機がある。直接飛んで確認してもらわなければならないが、操縦桿を握るのはジョーカー隊隊長のジャン・コープ中佐だから心配はいらない」

DDは、コープ中佐こそが首都シーヴ陥落の際に時間を稼ぎ出した救世主であり、伝説の撃墜王「シーヴの翼」だと太鼓判を押して送り出します。

 

ジョーカーワンの発艦とジャン・コープの告白

前席にジャン・コープ中佐、後席に主人公がナビゲーターとして乗り込み、複座の戦闘機「ジョーカーワン」はエンデュランスのカタパルトから海空へと射出されます。後方からは4番機「ジョーカーフォー」のウィリアム・コスター大尉が編隊を組んで追従します。

離陸直後、コープ中佐はDDが吹き込んだデタラメの裏側を静かに語り始めます。

自分は敵機を10機以上落としたダブルエースどころかエースですらなく、これまでの撃墜数はゼロ。卓越した回避技術と年季を買われただけのベテランに過ぎないと明かします。「シーヴの翼」という存在は、過酷な現実に耐える人々がしがみつくための標識としてDDら情報部がでっち上げた虚像であり、コープ自身もギャンブルの借金など個人的な事情からその看板を利用していたに過ぎませんでした。

 

難民旅客機の護衛と黒い敵機の奇襲

目標地点で雲を抜けると、大型民間旅客機「エア・エクシオン365便」が姿を現します。難民支援団体の要請で避難民を運んでいるため攻撃しないでほしいと切迫した通信が入り、ジョーカーワンは安全空域までのエスコートを引き受けます。

しかし直後、北側から超音速で急速接近する敵の2機編隊がレーダーに捉えられます。ソトア軍は難民旅客機を囮として使い、味方の迎撃戦力を誘い出していたのです。コープ中佐はコスター大尉に対し、旅客機を連れて安全圏へ離脱するよう命じ、ジョーカーワン単機で迎撃へと向かいます。

 

現れたのは「22」の番号が刻まれた不気味な黒い機体でした。「シーヴの翼」という偽りの名が広まった結果、その首を狙う凶悪な刺客を引き寄せてしまったのです。背後を取られミサイルを撃ち込まれる危機の中、コープの指示で後席の主人公がフレアを射出して回避。息の合った連携からコープは絶妙な機動で敵を誘い込み、1機を自滅へと追い込みます。

その際、敵パイロットは「約束の地」という言葉を叫んで爆砕します。

 

しかし、直後にもう1機の猛攻を受け、ジョーカーワンは致命的な被弾を喫してしまいます。薄れゆく意識の中、コープは後席にいる相棒の存在を確かめ、最期の言葉を遺します。

ジャン・コープ:「海に浮け、そして生きて帰れ」

伝説の継承:なぜ主人公は「1番機」となり「レックス」と呼ばれるのか

漂流の末に生還を果たした主人公は、空母エンデュランスでサントス船医の精密検査を受けます。脳波の正常が確認され、正式な飛行許可が下りた主人公の前に副長ジェシカ・パイクが現れます。

パイクが言い渡したのは、あまりにも重く冷徹な命令でした。戦死したコープ中佐の後任としてジョーカー隊の「1番機」を務めること、そしてコールサインも中佐のものをそのまま引き継ぐことです。

 

真相 // 主人公が「レックス」と呼ばれ「1番機」を任された理由

  • 英雄の死の隠蔽:「シーヴの翼」であるジャン・コープ中佐の戦死は軍の最高機密に指定され、外部への公言は固く禁じられた。
  • 1番機とコールサインの継承:地上で苦しむ人々に「シーヴの翼は健在である」と信じ込ませるため、中佐が座っていたジョーカー隊の1番機、そして中佐自身のコールサインであった「レックス」を、生還した主人公にそのまま引き継がせた。
  • 偶像の代役:コープ中佐の身代わりとして「レックス=シーヴの翼」という看板を丸ごと背負わされ、希望の象徴を演じ続ける役割を課された。

 

パイクは、地上で泥を舐めながら生き延びている人々の希望を繋ぎ止めるため、「シーヴの翼」という存在を維持し続けることを命じます。

「レックス、これからはあなたがシーヴの翼よ」

2029年10月31日14時26分にアデア海峡で拾われた名もなきパイロットは、わずか数時間のうちに相棒の死と過酷な空戦を経て、戦死した中佐の身代わり「レックス」として、戦争最大の撃墜王という名の虚像を背負わされることになったのです。

 

部屋から出ていったパイクと入れ替わりで入ってきたDDは「撃墜数の記録などいくらでも後から自分が作り出す」と冷ややかに笑い、新たな撃墜王の誕生を祝福するのでした。